僕が実際に遭遇した「二重派遣+偽装請負」の現場と、そこから抜け出した方法
「二重派遣」「偽装請負」という言葉を、SEとして派遣やSESで働いている方は聞いたことがあるのではないでしょうか。
この記事では、僕が実際に遭遇した「二重派遣+偽装請負」の現場で何が起きていたのか、どこに違和感を覚えたのか、そしてどうやって抜け出したのかを、できるだけリアルに時系列にまとめました。
同じように悩んでいる方の参考になれば幸いです。
僕が遭遇した「二重派遣+偽装請負」現場の概要
A ← 派遣元(自社)
B ← 派遣先
C ← Bと準委任契約を結んでいる発注先
僕は自社(A)から派遣先企業(B)へ、契約上は“普通の派遣”として配属された。
今回は、すでに現場に入っていた別の派遣の方と入れ替わる形での配属で、最初の1か月はその方からシステム移行作業の引き継ぎを行う予定でした。
プロジェクトの完了時期は半年後で、引き継ぎ後はBの社員から指示を受けて作業する。それが事前にBの責任者から聞いていた業務内容で、経験が浅い僕でも問題ないとのことでした。
ところが、実際に案内されたのはBのオフィスではなく、Bが準委任契約を結んでいる発注先企業(C)のオフィス。
現場にはBの社員は一人もおらず、業務指示はすべてCの担当者から直接飛んでくる。
この時点で状況は
- A → B の派遣契約なのに、実際は B → C へ僕を再派遣している状態(=二重派遣)
- CはBと準委任契約なのに、 Cが僕へ直接指示を出している(=偽装請負)
契約上の建前と、現場の実態がまったく一致していない。
違和感を感じながらも、まさか法令違反だとは思わず「こういうものなのだろうと」勝手に納得していました。
「二重派遣+偽装請負」が発覚するまで
本来あるはずのない責任が、板挟みになっている派遣者に集中
で、引き継ぎが終わって実際に作業をするようになったんですが、ここから急展開。Cの担当者から渡されるタスクは事前に引き継いだ内容とはまったく別物で僕には手に負えないレベル。
具体的には
- Accessでマクロを組んでほしい
- 移行中の自治体向けシステムのエラーを解析して修正してほしい
- データベースの不具合を調査して原因を特定してほしい
いやいやいやいやいや、どれもほぼ未経験の僕にできるわけがない。
そもそも面談では「簡単な移行作業」「手順書に沿った作業」と説明されていて、引き継ぎ担当の方も「ここまではやらないと思うよ」と言っていたので、完全に想定外。
しかも、指示を出してくるのは派遣先(B)ではなく、契約上は“準委任”のはずのC。
Bの社員は現場にいないため、相談しようにも誰もいない。
「これ、本当に僕がやる仕事なのか?」
「そもそも、誰の指示を聞けばいいんだ?」
最悪なのがCの担当者はこのご時世に珍しく、仕事ができないとボロクソに怒鳴るタイプ。
分からないことがあって聞いても、「準委任なんだからこっちに聞かれても困る」と言われてしまい、契約上の派遣先であるBに相談するも、「こっちは作業内容を把握していないので現場で解決してください」と言われてしまう。
今思うととんでもない爆弾発言。完全に偽装請負を容認している。こいつらグルかよ…
毎日泣きそうになりながら必死に、できない自分が悪いのかもしれないと自分を責めながら、無理やり作業を進めるしかなかった。
派遣元の自社(A)に相談する
もう完全に手に負えないと思い、派遣元の担当営業に相談することに。
帰ってきた答えは、「それは契約内容と違うので派遣先Bに確認します」だけ。
だろうね、って感じだけどそこから一週間、二週間と全く連絡がない。追いメールを送ったところでようやく派遣元(A)の営業から連絡が来た。
「派遣先Bに確認したところ、“現場の状況は把握している。契約上問題はない”と言われました」
いやいや、問題しかないだろ。
そもそもBは現場に来てないのに、何をどう把握しているんだ。
この時点で、AもBも「Cに丸投げしておけばいい」という空気が透けて見えて、完全に戦意喪失。
相談しても何も変わらないどころか、むしろ面倒な派遣社員扱いされているのが伝わってきて心が折れそうになった。
労働局に相談だ
この時点で「契約内容と違う場合はどうなるのか」を調べ上げていて二重派遣と偽装請負について完全に理解していた僕は労働局に相談するのであった。もちろん業務時間内に。
労働局の反応が予想以上に早かった
電話口の担当者に状況を説明すると、向こうは驚くほど丁寧に状況を整理してくれたうえで、こう言ってくれた。
「まずは、会社に対して“改善していません”という事実だけを淡々と伝えてください。
専門用語は使わなくて大丈夫です。
あくまで“契約内容と違う状態が続いている”という事実を伝えるだけで十分です」
「それで改善がなかった場合、次は“最終警告”としてメールを送ってください。
文面はこうです。
『派遣元としての是正対応、もしくは配置転換等の対応方針を一週間以内にご提示いただけますでしょうか。』
これで動かなければ、会社名を出して通報という形にしましょう」
…鳥肌が立つほど大人な対応。
言われた通り、改善がないことをひたすら報告。が、また一週間以上変化無しなので最終警告メールを送信した。
契約解除
最終警告メールを送った翌日。
これまで散々放置してきたAの営業から、珍しく即レスが来た。
「今の配属先は今月で契約は解除になりました」
……あまりにもあっさり。
おそらく僕が労働局に相談したことが、メールの内容から伝わったのだろう。
外部に話が行くのは本気で避けたいのだ。
やっぱり、会社にとって通報されるというのは相当なリスクなんだな、と妙に冷静に思いました。
まとめ
今回行った対策まとめ
- まずは事実を記録する
・誰から
・どんな指示が
・どんな経路で来ているか
・契約内容と何が違うのか
→ 後で説明するときに必須。 - 派遣元に「契約内容と違う状態が続いている」と淡々と報告する
・感情を書かない
・専門用語も使わない
・事実だけを短く伝える - 改善がなければ、同じ内容を継続して報告する
→ 会社側が「放置していた」という証拠にもなる。 - 一定期間(1〜2週間)変化がなければ“最終警告”を送る
文面例:
「派遣元としての是正対応、もしくは配置転換等の対応方針を一週間以内にご提示いただけますでしょうか。」 - それでも動かなければ、外部に相談する準備をする
・会社名
・契約内容
・実態
・これまでの報告履歴
→ まとめておくとスムーズ。 - 相談後は、指示された通りに淡々と進める
→ 感情的にならず、事務的に対応するのが一番効く。 - 改善が見られない場合は、配置転換 or 契約終了の流れになる
→ 無理に続ける必要はない。
直接「二重派遣」「偽装請負」と言わないほうがいい
結論から言うと、
専門用語で相手を追い詰めると、会社側が“言葉の揚げ足取り”で逃げるから。
これに尽きる。
会社は、こういう言葉を出されると一気に“防御モード”に入る。
- 「それは二重派遣ではありません」
- 「偽装請負に該当するとは判断していません」
- 「定義が違います」
- 「契約上は問題ありません」
そうなると、話が前に進まないし、
こちらの主張が感情的なクレーム扱いされてしまうこともある。解決したとしても、自社での扱いは完全にめんどくさいやつになってしまう。
感情は出さずに事実を報告し続けましょう!
それでもだめなら早めに労働局へ。
大前提として、労働者は一切責任がありません。
以上です。同じように悩んでいる方の参考になれば幸いです。
